Arnold 5で障子越しの影のシーンを表現したい② Thin Walled+Subsurfaceの設定

どうも! Maya太郎です!

先週の記事Arnold 5で障子越しの影のシーンを表現したい① シーン準備編
の続きです。


前回ダイジェスト

外の明かりに照らされた影が
障子越しにシルエットとして投影される景色を作りたいと思い…

障子紙以外のシーン調整まで行いました。

障子紙に関してはユーザーガイドのこの機能を使って表現します。


障子の設定を行う

設定個所は2か所。
Subsurfaceの数値を上げる(0.5前後)のと
Thin Walled(薄壁)のチェックをオンにすることです。

 

この組み合わせによって、背面からの光がうっすら透過するような表現が可能です。
主に逆光のシーンで葉っぱが透けたりする表現などに有効です。


物足りない

しかし、何かが物足りません。
「障子が無い」以前のレンダリング結果と比べると
部屋に落ちる光(影)が再現されていません

ここでかなり悩みました。
過去記事の作例で同様の状況を再現したところ(レースの薄いカーテンの表現)
こちらはカーテンにも、床にも影も落ちていました。不自然は特にありませんでした。

 

両者のデータを見比べて、原因は分かりました。
「透明度が何らかの形で有効になっていないと影が落ちない」


透明度の設定

当然ながら、オブジェクトのアトリビュート設定でOpaque(不透明度)はオフにします。
(この作業はArnoldのレッスンで何度も紹介している基本的な設定です)

 

そして、Transmissionの数値を上げます。
■補足■Transmissionを上げると、不透明→透明へと変化していきます。
シーンによってはSpacular(光沢)が有効であれば、ガラスや水などのように
屈折が有効になる場合もあります。

今回の場合、Transmissionを上げることで
障子からの光と影が反映されました。
しかし、今度は障子が透明化したことで、障子の表現が意図しないことになってしまいました。
レースのカーテンのように透けて見えることはありませんので、障子の場合このままではうまく表現されません。

いまのところベストな解決策が無かったのですが、
過去の調整過程のいいとこどりすすれば目的の絵になることは確認できました。

静止画の場合、後合成でどうにでもなりますが
動画の場合はそうもいきません。

 

ということで、RaySwitchという機能を使って解決することにします。

RaySwichはArnoldで応用技としては定番の使い方になるので
中級?ぐらいのレベルになるのかな?

とはいえ、使い方は簡単ですので次回サクッと紹介します!

 

では!