どうも!Maya太郎です。
前回の記事で法線マップの使用をあきらめて、バンプマップに逃げた件…
やはり悔しい思いがしましたので、もっといい方法は無いものかと
いろんな視点で試してみました。
法線マップがうまく行かない件、
ネットではあれだけ多くのtips、作例があるのに今更出来ないなんて何かがおかしい!
実はArnoldに原因があるのでは?と思い
久しぶりにV-Rayも起動して比較してみます。
今回は積極的に他のツールも使っていますよ!
■法線マップを作成■
何回も「SSSやってみた企画シリーズ」で使い続けてるこの顔、今回Z-Brushでしわを描き込みます。(15分ほど)
輪郭が変わると厄介なので、しわやディテール部分のみ…
Maya以外のソフトなのでここは割愛。
Z=Brushから法線マップを出力
■V-Rayでも比較用にレンダリング■
前回はMayaの「法線マップの扱い方の方言」としていた法線マップのおかしい部分…
Arnold以外、たとえばV-Rayならどうなのかと、久しぶりにV-Rayを使いました。
Maya太郎の環境ではV-Rayは2.0。入ってるMayaは2010のみです。
インストールの仕方も何もかも忘れたので、このままの環境で化石化しています。
V-Rayに法線マップとして読み込んでレンダリング。
あれ?問題ないぞ!すごくムードあるではないですか!肌の荒れ具合も再現できてるし…
板ポリゴンに貼ってのテストもついでにやってみましたが…
V-Rayだと、法線マップはすんなり行くのかな?
■同じ内容をArnoldでは…■
同様にArnoldで同じことをやってみました。
やはり変だ…
以前からここが怪しいと、いろいろいじってたのですが…
これがArnoldレンダラーとしての法線の扱い方の問題なのか、Mayaの問題なのかよくわからないところですが…
法線の向きは正しくなったようです。
実は上の画像、法線マップの効きが弱いので(法線マップは効き具合を調整できない)
マップのコントラストを強調して間接的に効き具合を強めています。
あまりオススメできませんが、法線マップの効きが弱いと感じる場合こういう方法もあります。
■ディスプレイスメント用のマップを作成■
ネットを調べると、Z-Brushから(法線マップ以外にも)
ディスプレイスメントマップも書き出せることを知ったので、書き出してみました。(Maya以外の話なので、ここも割愛)
Photoshopで見ると、ほとんど真っ赤。
チャンネルレイヤーを見ると、赤チャンネルに、グレースケールの情報が書き込まれてるようです。
ヒストグラムが中央部に寄っているので、補正してみます。
自動補正を行うと、このように凹凸情報がきちんと記録されているのがわかります。
このファイルは32ビットの色深度を持つEXR形式なので、さきほどのうっすらした画像でも
十分な凹凸情報が記録されているわけです。
今回は確認だけですので、この処理は保存せず、元の状態に戻します。
ディスプレイスメントマップ用のマップデータですが、バンプマップに適用します。
EXRのデータだけあって、バンプマップとして使ってもすばらしい表現力があります。
先ほどの法線マップとは比較になりません。
■法線・バンプマップを比較■
前回の作例がこのような感じで、バンプマップの表現力に物足りなさがありました。
前回終了時から各素材マップを少しいじっていますが…
さきほどの法線マップを前回のデータに適用すると…このようにおかしな結果になってしまいます。
(SSSシェーダーが法線マップと相性が悪いのではないかと疑っています)
法線マップだけでなくバンプマップもシワが目立つまで強調するとおかしな結果になります。
(参考に見て回った海外のSSSのTIPSサイトが)作例でディスプレイスメントマップを使うのは、もしかしたら
バンプ・法線マップとSSSは原理的に相性が悪いことを知っているからかもしれません…
(英語部分はほとんど読み飛ばしてるので、憶測ですが)
■ディスプレイスメントマップを試す■
ということで、Maya太郎もイヤイヤながらディスプレイスメントマップに挑戦します。
ディスプレイスメントマップはレンダリングが遅いという印象しかありません。
ですのでずっと避けてきました。
今の環境なら処理速度は実用域なのかな??
細かいやり方は割愛しますが(説明長くなって本題からそれるので)
適用直後はこうなります。(お約束)
しかるべき設定(脱線防止のため割愛)をすると
それらしい凹凸が再現できたようです。
ただ、想像以上に輪郭への影響も大きく、頭など「こぶ」ができた感じになっています。
ゆがんだ表情の再現性が高く、一気にリアリティが増しました。
想像したものとは異なる仕上がりですが、これはこれでいいですね。
(ちみに左右の違いはSSSの効果の強弱を比較しているだけです)
■最後は、ハイメッシュの実ポリゴンで計算■
ディスプレイスメントマップだと、ある程度効果があったものの、
意図せぬ輪郭変形が気になるので
どうせなら力技でやってしまおうと、スカルプトしたデータでレンダリングすることにしました。
とはいえ、毛穴までペイントした元素材は1600万ポリゴンまで膨れ上がったので
ディテールがある程度残る40万ポリゴンほどまで減らしました。このあたりだと許せる範囲かと…
この顔ポリゴンに、差し替えてレンダリングしました。
Photoshopで調整(あまり変わらない?)
ディスプレイスメントマップ・ハイメッシュ実ポリゴン
どの方法がいいのか、結論は出ませんでした。
ただ、SSSとバンプ・法線マップとの相性が悪いような気がするのは気のせいでしょうか?
今回、マシン落ちまくりです。ブルースクリーンも経験。結構検証時間かかっています。
それにしても顔モデルの人、今回で一気に老けました(笑)
ではまた!