(初心者向け)Maya2018を使った背景写真の合成CG③ 草の合成感を高める

どうも! Maya太郎です。

引き続き
「(初心者向け)Maya2018を使った背景写真の合成CG」シリーズを続けます。
このシリースの過去記事は
(初心者向け)Maya2018を使った背景写真の合成CG① カメラ位置合わせ
(初心者向け)Maya2018を使った背景写真の合成CG② ShadowMatte
です。ご覧くださいね。


前回は芝生が生えているのに
影の落ち方が草の生え方を考慮せず
平面的で違和感
を感じるという所まででした。


ペイントエフェクトで芝生をペイントする

芝生が地面に生えてる状況を再現するために
ペイントエフェクトを使って、平面状の地面に芝生を生やします。
①平面オブジェクトを選択
②「生成」→「ペイントエフェクト」→「ペイント可能にする」

これによって平面オブジェクトの表面にペイントエフェクトのペイント処理が行われます。
つづいて
「生成」→「ペイントエフェクト」→「ブラシを取得」

コンテンツブラウザが自動的に開き、その中の
「ペイントエフェクト」ブラシが選べるようになります。
たくさんのジャンルに分かれているペイントエフェクトブラシですが
「Grasses(草)」を選びます。
(英語の苦手な方はGlassと混同しないように!)
草の種類がたくさんありますが、使用する背景写真に合わせたりお好みでご使用ください。
今回は下図のようなブラシを選びましたが深い意味はありません。

すでにビューポートではペイントモードになっているはずです。

Mayaの楽しい3Dオブジェクトのペイント機能です。
こんな機能が2000年代初期から実装されているんです。
Mayaの当時の先進性を感じます。(当時は重すぎて使い物にならなかった)
ブラシの太さやスケールなどを調整する方法は
本題から大きく外れるので割愛させていただきます。(別の機会に)


このように、猫太郎の足場を覆うような芝生が簡単に出来ました。
芝生の範囲は、影が落ちる範囲のみでいいのですが
あとで影の位置を調整することを考えて
念のために広めに「塗って」おきました。


ペイントエフェクト→ポリゴン化

ペイントエフェクトで生成したオブジェクトは
「ストローク」と呼ばれる、ペイントエフェクト独自のデータとして管理されています。
画面に表示されているものは、あくまでも表示用でデータの最終形態では無い場合があります。
ですので、ペイントエフェクトでペイントした「ストローク」は
ポリゴンなどに変換して利用するほうが便利なことが多いです。

変換方法は
「修正」→「オブジェクト」→「変換」→「ペイントエフェクトをポリゴンに」です
オプションボタンを押してください。

変換オプションで、ポリゴン制限を出来るだけ多い数値にします。
これは、生成されるポリゴン数がデフォルト設定のままだと少なすぎる場合があり
ストロークの一部しかポリゴン化されない
場合があるからです。
(非力なマシン、搭載メモリが少ないマシンの場合はご注意ください)


ポリゴン化後は元のペイントエフェクトデータを消す

変換すると、シーン上には
元のストロークデータ(ペイントエフェクト)と
ポリゴン化したデータが二重に存在しています。
ストロークデータは不要になったので削除します。

 


芝生ポリゴンオブジェクトにShadowMatteを割り当てる

ポリゴン化した芝生オブジェクトは
影を受けるオブジェクトとして、平面(地面)オブジェクトの一部として利用します。
芝生のポリゴンに、平面(地面)と同じShadowMatteを割り当てます。
「新規」ではなく「既存のマテリアル割り当て」ですでに存在しているShadowMatteを適用します。

準備完了!

カメラから見たアングルです。

 

レンダリングします。
頭の影や足元の接地部分が草となじんでおり
草の上に居るという説得力が出てきました。
しかし芝生が濃くなって、陰影が協調された感があります。これは少し変です。

今回のような合成シーンでは
芝生オブジェクトが落とす影が不要なので、芝生の影を落とさないように設定します。
芝生オブジェクトのアトリビュート内で
下図のように「Visibility」→「Cast Shadows」をオフにします。

 

よくなりました。

草に影が落ちているような感じで
影の輪郭部分に適度なギザギザ感があります。
足元の草の生え方も自然に感じます。
実際の写真の芝生の形状にぴったり合わせなくても
このように雰囲気だけでも草のギザギザ感を加味する事で自然な見え方になるのです。


しかし、実は

ペイント時に足元をしっかり確認せずペイントしたので
一部の草が足を貫いてしまっております。
最後になって気が付きました。
悪い作例としてお詫びいたします。
皆様、慎重に作業してくださいね。

 

次回は、この作例にもうひと手間かけた
微調整を紹介します。
この段階で何が足りないか?
お解りでしょうか?答えは次回!

【ヒント?】
作例自体の品質が足りないとかそういう意味ではありません(汗)
足の接地部分の草の間引きでもありません。

では!