OpenEXR画像のレイヤー情報をPhotoshopで読み書きできる無償プラグイン「Exr-IO」の紹介

どうも!Maya太郎です。
今回は本来、別ネタ(前記事の続き)を掲載予定でしたが
インディゾーンさんから
OpenEXR画像のレイヤー情報が読み書きできるPhotoshop用の無償のプラグインExr-IO
出たのでチェックしてみては?」との連絡があり、今回はそのレポートをすることにしました。

OpenEXR(またはEXR)とは従来の1677万色(RGB各8ビット)よりはるかに多いRGB各32ビットの色情報や、
コンボジット作業に利用する画像の各レイヤー情報などを1ファイルで内包できる便利なファイル形式です。
最近のGIレンダラーや、高度なコンポジット作業をされる方の多くが利用されている形式ですが、
Maya太郎はMaya2017のArnoldとの出会いでようやく使い始めた新米なので、
実はEXRファイルのすごさがあまり分かってなかったりします。

今回はMaya2017update2での Arnoldで作成したEXRファイルを用いて「Exr-IO」を使ってみます。

 

プラグインはこちらからhttp://www.exr-io.com/

画面下部のダウンロードを押すと、すぐにダウンロードされます。手続きも不要!1-1

ダウンロードしたインストーラーで自動的にインストールされているフォトショップを認識して、インストールされます。
インストールはとても簡単ですね。

では、EXR形式の画像を作ってみます。
Maya2017のArnoldレンダラーでシーンをレンダリングします。
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レンダリングした画像は、Save Multi-Layer EXRで保存します。1-3

拡張子は.EXR です。
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PhotoshopでEXRファイルを読み込むと、自動的にプラグインが起動?して
読み込み用のダイアログボックスが現れます。慣れないうちはそのままの設定でいいでしょう。
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読み込んだ画面です。
アルファチャンネル以外、レイヤーは特に目立ったものはありません。あれ?
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実はレンダリング時に設定が必要なのです。
Mayaのレンダー設定(Arnold)にあAOVsのタブからレンダリングする要素を指定する必要があります。

AOVとはArbitrary Output Variableの略なのですが、
レンダリング画像を各要素ごとに分けて出力、レンダリング後の質感の微調整を合成時にできるようにすることで、ハイエンドの映像業界ではごく当たり前の手法となっております。
ソフトやレンダラーによって別の呼び方もあります。
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「builtin」を選ぶと、N(normal),Z(Z-Depth)などの各要素がリストアップされるので1-8

真ん中下の右矢印を押すと、選択した要素がAOVに追加されます。1-9

aiスタンダードなどのシェーダー内の要素もAOVに追加できます。1-12

AOVを有効にしてる状態でレンダリングをすると、レンダービュー上で要素がリストアップされるので
表示を切り替えて確認できます。
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例えばN(normal)を選択すると画像自体の法線情報が確認できます。
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AOVを有効にしてレンダリングしたものをEXR形式で保存して
再度Photoshopで読み込んだところ、今度はきちんと要素別に多層レイヤーで読み込めました。
このレイヤーは重ね順に意味はありません
通常のフォトショップのレイヤー作業のように下から上に重ねて処理するためのレイヤーではなく、
各要素を1ファイルにまとめるための便宜上のレイヤーですので、勘違いしないように…

どういう合成作業をするのかで書き出す要素は変わってきますが主な要素はこんな感じです。
なぜかZ深度の情報がうまく書き出せません(真っ白)、以前から調べているのですが…(今も調査中です)
——————————————————————————————————————————————————■追記■
Z深度のチャンネルが真っ白なのは奥行き情報が32ビットで収録されているために、RGBの8ビット諧調
表示では
レンジ外の奥行き情報が正しく表示されないことが原因です
色調補正などの機能でHDR領域の色情報を正しく処理すれば、Z深度情報を確認できます。
tuiki——————————————————————————————————————————————————

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このプラグインがインストールされている時にEXR形式で保存する場合は、
Exr-IOのEXR形式で保存することになります。レイヤー情報も保持されます。1-15

 

静止画作成で影や反射、発光部のグロー合成などの調整・合成に便利なプラグインですね。
1ファイルで済むので要素別のファイルで混乱することも減るでしょうし…

 

では!