Maya2017新機能チェック「シーケンス レンダー」

Maya太郎です。
Maya2017からレンダリング環境が一新され以前のバージョンと使い勝手が変わった部分が多々あります。
新機能として実装された「シーケンスレンダー」、機能的に目新しさ全開!というものではありません…

Mayaの場合、
静止画のレンダリングは
[レンダー]→[現在のフレームをレンダー]によって簡単に出来ますが、(下図参照)
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アニメーションレンダリング(連番静止画)のレンダリングは「バッチレンダー」を使うことになり、
他のソフトよりも少しお堅い段取りでレンダリングする必要がありました。

個人的に「バッチレンダー」は、バックグラウンドで動くこともあり動作が地味すぎて
きちんとレンダリングしてるのか、エラーで止まってるのかなどの
状況把握がしにくいところもあり、他のCGソフトよりも初心者にはとっつきにくい機能かなと思うのです。
ただ、「バッチレンダー」にはコマンド処理が可能な点、Mayaアプリ立ち上げなくてもレンダリングだけ行える点などのメリットも多々あり、熟知すればとても便利なレンダリングシステムだったりします。

ということで、今回の「シーケンスレンダー」には静止画感覚でアニメーションレンダリングが手軽に実行できる新機能だと期待していました。

 

■シーケンスレンダーでアニメーションレンダリング■

簡単なアニメーションシーンを作りました。(カメラが動いてるだけなのですが…)
このシーンをシーケンスレンダーでレンダリングします。
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まず普通に静止画レンダリングでシーンの最終確認。
本作例では速度優先でハードウェア2.0でレンダリングしていますが、
どのレンダリング方式でも同じ作業なので問題ありません。
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基本的なことですが[レンダー設定]でアニメーション用の設定になっていることを確認してください。
下図、特に赤枠内の設定は見落とさないように!
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[レンダー]→[シーケンスレンダー(オプション)]を選択
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この機能はオプション的なものですが、今回はその機能を紹介するためにチェックを入れましょう!
普段は切っておいてもかまいません!
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では、シーケンスレンダーを開始してください。

今回の作例ではハードウェア2.0でのレンダリングなので瞬時にレンダリングが終了しましたが、Arnoldなどの高品位なレンダリングを行う場合は相応の時間がかかります。

私は「シーケンスレンダリング」に期待していた機能として、他のCGソフトのように
レンダリング終了までの時間表示だとか、バー表示で進捗状況を確認できるなど
画面表示による情報で進行中の状況をわかるようになってくるれといいな…と思っていましたが、「バッチレンダー」同様、非常にそっけない画面(というかレンダービューのまま)にがっかりしたのは事実です。(独り言)

レンダリング完了すると、「レンダービュー」最下段にスライドバーが付いています。(下図)
先ほどの「レンダービューに追加」オプション設定は、シーケンスをプレビューするためのものだったのです。
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スライドすることでアニメーションのチェックも簡単に出来ます。
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この機能は今回の新機能というよりは従来からあった
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レンダリング画像を一時的にレンダービューに保管して複数画像を比較したいときなどに使う機能を
単にアニメーションに対応させただけのようですね。

■(要注意)一時ファイルは、きちんと削除しておくこと■

先ほどのオプション機能(下図)を利用してアニメーション確認を行った場合の注意事項があります。%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%82%b1%e3%83%b3%e3%82%b93
アニメーションの連番画像を簡単にチェックできる機能はありがたいのですが、続いてシーケンスランダーを行った場合動画プレビューに用いられた一時画像は自動的にクリアされません
シーケンスレンダリングを重ねるたびに、以前のシーケンス画像がどんどんたまっていきます
再度シーケンスレンダーを行う場合は下記のようにすべての画像を削除してから行うようにしましょう。
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■現状ではArnoldのアニメーションレンダリングはこれしかない■

Maya2017でメインレンダラーがArnoldに変更されましたが、完全な実装ではなくライセンス面でグレーな部分もあり、Arnoldをバッチレンダーでレンダリングすると透かしが入ってしまいます。ですのでArnoldのレンダリングライセンスを別に持っていない一般ユーザーは、Arnboldのアニメーションレンダリングをするためには、このシーケンスレンダーを使う必要があります。
シーケンスレンダーはちょっとしたレンダリングには便利ですが、仕事で大量の連番画像をレンダリングする場合はバッチレンダーと比べて不向きなところも多いので、しばらくの間はレンダリングのワークフローに関しては混乱が続きそうですね…