Arnold Curvature(曲率)シェーダーの長所・短所

どうも!Maya太郎です。

Curvature(曲率)シェーダーを使うと、手描きでは面倒な
(角がこすれたような)使い込んだ感のある質感を演出することが出来ます。

(過去記事リンク)
Arnold 5 Curvature(曲率)シェーダーで「さび」を表現する(前編)
Arnold 5 Curvature(曲率)シェーダーで「さび」を表現する(後編) ミックスシェーダー使用作例が車なので効き具合に地味なところもありますが

複雑に入り組んだオブジェクトならとても面白い質感になります。
作業に飽きたらこのシェーダーで遊ぶのが最近の個人的な楽しみです。

個人的にお気に入りの機能ですが
Curvature(曲率)シェーダーを使う場合の利点・欠点もありますので
そのことに触れておきますね。


Curvature(曲率)シェーダーの長所(利点)

①モデリングがFIXしていない作業段階で利用できる。

Curvature(曲率)シェーダーはシェーダー以外の下準備が不要です。
テクスチャーにCurvature(曲率)情報をペイントするわけでは無いので
事前にUV展開をしたり、テクスチャーの下地処理が不要で
モデリング中にどのような形状加工をしても、レンダリングしなおすだけで結果が反映されます
後述しますが、(3D-COATなどを使って)テクスチャーにペイントする方式の場合
モデルデータに形状修正が加わり、UV情報に修正が入るとペイントのやり直しになってしまいます
つまり、モデリングが完成しないモデリングの途中過程でも
雰囲気チェックに使えるので大変実用的な機能
、というわけです。

②シーンのリソースを節約できる。

オブジェクトの形状に応じて自動的に汚し系などの処理が出来るので
わざわざ「汚し用の」テクスチャーをオブジェクトごとに準備する必要がありません。(UV展開含む)
ということは一つのマテリアルで、複数のオブジェクト(背景の建物など)に使いまわせることになります
重要でない背景物など、なるべく使いまわしのマテリアルだけで処理を済ませたい場合は
Curvature(曲率)シェーダーをうまく利用すれば作業効率が上がります。


Curvature(曲率)シェーダーの短所(欠点)

①レンダリングが重たい

Curvature(曲率)シェーダーを使っただけで
レンダリングにかなり負担がかかります。
でのすので、パワフルな環境以外でレンダリングする場合はストレスを感じるかもしれません。
最終的にテクスチャーにベイクしたほうがいいかもという場合も考えられます。
(環境や個人的な許容差はあります)

②変形や動くものには使わないほうがいい

Curvature(曲率)シェーダーは、オブジェクトに変形が伴うと
結果が変わってしまうはずなので、キャラクターモデルや、稼動するメカモデルなどにつかうと
フレームごとに結果が変わって、アニメーションの場合ちらつきが生じる可能性があります。
(現在検証してませんが、原理的には予想されますので)

ただ、これに関しては気になるパラメーターがあり、変形時のズレがなくなる可能性もあります。
まだ未検証なので後日、記事にするかもしれません。


まとめ

Curvature(曲率)シェーダーはオブジェクトのエッジやくぼみ部分を抽出するので
面白い質感表現に役立ちますが、よりリアルな結果を求める場合
ノイズなどを複雑に組み合わせて、
とても複雑なシェーディングネットワークを構築する必要が出てきます。
そうなってくると試行錯誤や、それに伴うプレビューレンダリングにも時間がかかるので
テクスチャーにベイクして補助的なペイントを加えたりしたほうが最終的に手早くすむと言う場合もあるでしょう。

実は以前から併用している3D-COATという3Dペイントソフトも
エッジや凹み面にペイントできる面白い機能があるのですが
どうやら内部的に同じ処理をしているようなのです。

次回それについて紹介します。

 

 

では!